適応障害で退職した後、直ぐ再就職に成功した書店員の例

2024年3月29日

適応障害で退職を経験し、その後、書店員として再就職を考えている皆さんへ。退職後の手続きや心のケア、そして再就職への道のりは一筋縄ではいかないかもしれません。

私自身が適応障害で職を辞め、その後、再就職活動を通じて多くの困難に直面しました。失業保険の申請、治療、そして退職の衝撃、これら全てが絡み合い、適応障害が更に深刻化しました。

しかしながら最終的に書店員として再就職する事が出来、適応障害も徐々に改善しました。適応障害を抱えての再就職は困難が伴いますが、適切な対処法を知る事で退職後の生活をより良いものにする事が可能です。

この記事では私の経験を基に、適応障害で退職した後の再就職活動の進め方、そして書店員として成功する為のアドバイスを共有します。

適応障害が原因で退職した書店員が抱える課題と対策


適応障害で退職した書店員が再就職へ向けて取り組むべき事柄は様々と言えますが、特に注目すべきは次の3つのポイントです。

  • 適応障害で退職した経緯をどのように面接官に伝達するか?
  • 就職後、適応障害の再発リスクをどう抑えるか?
  • 適応障害を持つ自身の状況をポジティブに捉えるプレゼンテーション方法は?

私自身が多くの書店への再就職を試みてきた経験から言えば、面接では退職の理由や適応障害の存在をどのように説明し、自分がどのように貢献出来るかを伝えるのが難しい場面がありました。

適応障害を抱えつつも再就職に成功する為には「退職の理由の説明」「再発防止の戦略」そして「適応障害を持つ自分が書店業界で活躍出来る理由」を明確にする事が重要と言えます。適応障害という課題を抱えつつも、書店員としての専門性と独自性を活かし、再就職を成功させる為の具体的なアクションプランを立ててみてはいかがでしょうか。

適応障害で退職した書店員の採用を検討する為の退職理由


面接では適応障害で退職した理由を説明する場合、一般的にはマイナスイメージを与えてしまう可能性があります。その為、自身のせいではなく、書店員という職業特有の労働環境が原因だと強調する事が重要です。

例えば書店業界では季節ごとの大量の新刊処理や在庫管理、書籍の陳列といった独自の業務が存在します。私の場合、元々働いていた書店では特に大型店舗であった為、新刊の入荷量が膨大で、その全てを一人で処理しなければならない状況が続いていました。

更にその店舗では書籍の陳列方法に極めて厳格なルールが存在し、微妙な角度や位置ずれも許されませんでした。それらの業務を一人で行う事による肉体的、精神的な疲労が積み重なり、結果として適応障害を発症してしまいました。

更に書店業界では独自の専門知識や情報が求められます。新刊の情報はもちろん、個々の出版社や作家の動向、書籍のジャンルや流行を把握し、それを活かした陳列や接客を行う事が求められます。その為、その情報を常にキャッチアップし続ける事もストレスとなりました。

その経験を元に「新しい職場では適正な人員配置や合理的な業務分担が行われている書店で働きたいと考えています。また書籍に関する情報を共有し、互いにサポートし合える環境があると嬉しいです」と面接で説明する事で退職理由や志望動機を伝える事が可能です。

書店員として適応障害で退職したのは自分のせいではないと面接官に納得させる方法

書店の仕事は、一見単純なように見えますが、経験者ならわかるでしょう、それは違います。新刊の情報を把握し、顧客への推薦や在庫管理、店舗のレイアウトやディスプレイ、更には混雑時の対応等、多岐にわたるスキルが求められます。そうした中で、自分が適応障害で退職した事実を持っていると、面接官に自己の実力不足を疑われる事があります。

しかし必ずしも適応障害は個人の実力不足から来るものではありません。それは、周囲の環境や組織の問題によるものかもしれません。その点を理解し、具体的に説明する事で面接官に自分が適応する能力を持っている事をアピールする事が可能です。

例えば以前の職場での適応障害の原因が、新刊の入荷や陳列の遅れ、混雑時の対応についてのスタッフ間の連携の不足であったとしたら、それを「個々のスタッフの努力や技術ではなく、チームとしての調整や連携が不足していた」と説明出来ます。

また「その問題を改善すべく、私自身が新刊情報の共有やスタッフ間のコミュニケーションを試みたが、組織としての受け入れ体制が整っていなかった」と述べれば、自身の問題解決への意欲や能力をアピール出来ます。

更に「新たな職場ではその経験を活かし、店舗運営のスムーズさや顧客サービスの向上に貢献したい」という意志を示す事で前向きな姿勢とともに、適応障害の経験が自己成長につながる可能性を伝える事が出来ます。

適応障害で退職した経験は、必ずしもネガティブなものではありません。それをどう説明し、どう活かすかが重要です。自身の経験や学びを適切にアピールする事で面接官に自身の強みとして理解してもらう事が出来ます。

適応障害で退職する書店員:成功する為の再就職面接のポイント

適応障害が原因で退職を経験した書店員の方々の中には「書店の環境や上司が原因で退職を余儀なくされた」と面接時に訴える方がいます。だが、これだけでは同情を引くだけで、採用へ繋がるには至りません。私自身も最初はそうでした。

書店員としての再就職を模索する中で難しいのは、確かに現場に問題があったとしても、それが自分自身に問題がないという証明にはならないという事実です。ここで私が提案するのは、自己の問題解決能力には問題がなく、しかしながら現場の問題が解決されなかった事実を述べる事です。それにより「現場を改善するより環境を変えた方が良い」と考え、転職が適応障害解決の一手段として理解されやすくなるでしょう。

私の場合、書店のマネジメントの問題をアピールしましたが、他にも以下のような原因があります。

  • 書店のスタッフが突如として退店し、その引き継ぎがなされず、人員が増える事もなかった為、適応障害を引き起こしました。
  • 本の発注に関する書店と出版社との意見の相違から、スケジュールが遅れたり、急な発注変更が頻繁に起こり、適応障害に陥りました。
  • 上司が新規企画を提案し、余計な業務が増える一方で、適切な指導やサポートがなく、結果的に適応障害を発症しました。

これらのようなスタッフ、出版社、上司等が原因で改善の見込みがなく、適応障害が悪化し結果的に退職する事態に至った経緯を説明出来れば、面接での評価が上がるでしょう。

適応障害でも長く働ける書店員はどう対策すべき?


書店員として適応障害を理由に退職を考えている方へ、あるいはそのようなスタッフをサポートしたい店舗管理者へ、具体的な対策を提案します。

適応障害が発生すると、仕事に集中する事が難しくなる為「うちの店ではどのように配慮すればよいのでしょうか?」と詰問される事があります。

このような状況では適応障害があっても仕事が遂行出来る事を強調し、具体的な対策を提示する事が求められます。

たとえば、適応障害が発症する原因が業務量であれば、書店員の場合、販売管理システムや在庫管理システムの活用を検討すると良いでしょう。これらのシステムにより、在庫の確認や発注、販売履歴の管理などを自動化し、業務負担を軽減出来ます。

また店舗運営の進行状況が把握しきれないと感じるなら、情報共有ツールの導入を試みるといいでしょう。これにより、スタッフ間での情報共有がスムーズになるとともに、業務の進行状況を一覧出来るようになります。

適応障害が引き起こされる原因を探り、それを削減する為の具体的な対策を提案する事が大切です。これにより、適応障害を抱えている書店員でも、長期間働き続ける事が可能になります。

「どうして私達の書店は適応障害を防げる場と感じたのか?」と問われた際の対応策

ただ単に書店の環境を改善するだけで適応障害を防ぐ事は難しいです。それが可能な書店とそうでない書店が存在します。その為、面接で志望動機を述べる際に「ではどうして私達の書店は適応障害を起こす事なく働ける場だと思ったのですか?」と問われると、どう答えればよいか困る事もあるでしょう。

適応障害を起こさない書店で働く為には、志望先の書店の環境が異なると明確に述べられる必要があります。しかし未経験の書店についてどのように答えるべきかは難しいところです。私自身も「口コミサイトでご社の評判が良かったので、志望しました」と答えて乗り切った経験があります。

転職をサポートするサービスの中には、実際にその書店で働いた経験がある人々の口コミが掲載されているものがあります。私自身、そのようなサービスを利用してみたところ、求人広告では休みが多いと書かれていたにも関わらず「業務量が多く、過重労働になりがち」という口コミが多い事に気づきました。これは適応障害を抱える人にとっては転職先として適切ではない事がわかります。

このように、書店の内部事情について詳しく記載された口コミは、ブラック企業や働きにくい環境かどうかを判断する上で非常に有用です。

また志望動機についても「口コミサイトで評判が良かったから」と述べる事で適応障害を持つ自分に適した書店であると同時に、評判が良い事が明示されれば、志望動機として適切に感じるでしょう。ですので口コミサイトを活用して志望先を選定し、志望動機を考えるのもおすすめです。

適応障害を活かした書店員の業務運営

適応障害を抱えているからといって、それが仕事能力にネガティブな影響を与えるとは限りません。適応障害をうまく活用し、書店員としての業務運営にプラスにする方法をご紹介します。

適応障害を持つ人が記録を取る事により、自身のストレスを軽減しつつ、他のスタッフとのコミュニケーションの質を向上させられるのです。「適応障害の為、重要な情報は書面で共有させてください」と提案する事で会議やミーティングの内容をきちんと記録に残す習慣を作る事が可能です。

書店業界では新刊の発売情報や在庫状況、顧客の要望など、日々把握しなければならない情報が山ほどあります。口頭でのやり取りだけでは必要な情報が漏れたり、誤解が生じる可能性があります。

適応障害を活かし、記録を取る事を積極的に行う事で全員が同じ情報を共有し、業務運営に役立てる事が可能になります。また記録をとる事で顧客の要望や問い合わせを明確に把握し、それを基にしたサービス改善を行う事も可能となります。

適応障害を抱えているからといって、それがマイナスに作用するとは限らないのです。適応障害を持つ自分自身の特性を理解し、それを仕事に活かす事でより高品質なサービス提供が可能となります。

このように、適応障害を抱えていても、それを上手に活用する事で書店業務の質を向上させる事が可能です。適応障害を持つ自分自身の特性を理解し、それを仕事に活かす事でより高品質なサービス提供が可能となります。適応障害という特性を理解し、それを活かす事で書店員としての業務運営をより良いものにしましょう。

適応障害で退職した書店員が再び書店で働く為の戦略


適応障害を理由に退職した書店員が再就職を成功させる為には、次のポイントを考慮すると良いでしょう。

  • 適応障害で退職した経歴があるとしても、改善策や対策を考え、それをアピールする
  • 志望動機として、評判の良い書店を選ぶ
  • 適応障害を逆に、人とのコミュニケーション能力や理解力の深さという長所とするアピールを用意する

また適応障害で退職した場合、失業保険の期間は長いほど有利です。

精神科医のアドバイスにより退職した場合、障がい者手帳を取得し、失業保険の期間を一般的な3ヶ月から10ヶ月に延長する事が推奨されます。また長期にわたって精神科医に通院していた場合、障がい年金の受給も可能である事も後から知りました。

適応障害で退職した場合も、日本には障がい者に対する様々な支援策がありますので、退職後の期間を利用して手続きをする事をおすすめします。

ただし、障がい者枠で再就職活動を行う場合、障がい者専用の転職サイトでは契約社員の求人が多く、正社員の求人は少ないという事実を覚えておくべきです。その為、大手書店の正社員を障がい者枠で目指す場合は、直接企業のホームページから応募する事をおすすめします。

正社員採用は競争が激しい為、面接では自分がどのように成果を上げる事が出来るか示す事が重要です。適応障害を逆手に取り、仕事を有利に進める事が出来るエピソードを話すなど、障がい者としての独自の視点や経験を活かす事が求められます。

これらは私が適応障害で退職した後、再び書店で働く為に工夫した方法です。これらのアプローチにより、適応障害で退職した書店員でも再就職の成功率は大幅に上がります。皆様の再就職の成功を心から願っています。