適応障害で退職後、再び保育士として職場に立つ為の方法について、戸惑いを感じている事でしょう。
私自身も適応障害で職を辞め、その後、職探しに奔走しましたが、失業保険の手続きや治療、そして退職の衝撃といった理由から、思い通りの結果には至らず、適応障害が重くなりました。
しかし最終的には再び保育士として職に就く事が出来、適応障害も徐々に改善しました。適応障害を抱える人が再就職する過程には、辛い面も多々あり、退職後の行動の取り方を誤ると、修復不能な事態を招きかねません。
そこで、私がこれまで経験した事が、これから再就職を考えている方々の参考になればと思い、本記事で私の体験談や、保育士として再就職に成功する為の具体的な方法を共有します。
適応障害が原因で退職した保育士がすべきアピールとは?
適応障害で退職した保育士が再就職で成功する為のポイントは色々とあると思いますが、個人的に重視すべきと思える部分は以下の3つです。
- 適応障害で退職してしまった経緯をどのように面接官に伝えるか?
- 就職後、どのように適応障害の発症リスクを減らすか?
- 適応障害をマイナスに感じさせない言い方
保育士としての再就職を考えている方々の中には、面接で退職の原因や適応障害を抱えている事をどう表現し、どのように自分が仕事に対応出来る人物であるとアピールすれば良いのか、すぐに答えが出てこないという方もいらっしゃるかもしれません。
適応障害を持ちながら再就職に成功する為には「退職の経緯の説明」「障害の再発防止」そして「適応障害を持つ保育士としての活躍の根拠」を明確にする事が重要です。これらの要素を適切にアピールする事で、再就職の成功に繋げる事が出来るでしょう。
適応障害で退職した保育士がすべき「退職の経緯の説明
保育士が適応障害で退職する理由を説明する際、その原因が自己の能力不足ではなく、労働環境によるものであると主張する事が重要です。
例えば保育士として働くうえで避けられないのが、子どもたちの成長と共に増えていく保育ニーズです。私の経験では、保育施設の運営方針によっては、子ども一人一人に対する配慮が欠ける場合がありました。特に、施設の収益性を最優先する方針から、スタッフ数を抑え、一人当たりの子ども数を増やす傾向が見られました。
その結果、一人で多くの子どもを見なければならない状況が常態化し、子どもたちへのきめ細やかな対応が難しくなりました。私の役割は、保育だけでなく、子どもたちが安全で健康的な環境で成長出来るようにする事です。しかし人手不足の状況では、それが困難であり、子どもたちの様々なニーズに対応する事が出来ない事がストレスとなり、適応障害を引き起こす原因となりました。
これらの経験を踏まえて、次の職場では、子どもの安全と健康を最優先し、適切な人員配置を行う事を重視している施設に就職したいと考えています。これにより、退職の理由と次のステップを明確に伝える事が出来ます。
適応障害で退職した経験を持つ保育士は、自身の体験を活かして職場環境の改善に貢献し、より良い保育を提供する事が可能です。適応障害という経験は、保育士自身の成長につながり、次の職場での活躍に役立つと考えられます。
保育士の面接で「適応障害による退職は自分の問題ではない」と説明するアピール方法
保育士という職種では、適応障害で退職した経験を持つ方に対して、"その適応障害は自分自身の問題でないと本当に言えるのか?"と疑念を抱く面接官も少なくありません。
なぜなら、面接官からすると「子ども達とのコミュニケーションは出来たのか?」「保護者や他のスタッフとの関係性はどうだったのか?」など、職場環境を改善出来る可能性を探る質問が必然的に出てきます。
その為、面接では自己アピールの一環として、適応障害の原因が自分ではないという事を明確に伝える事が求められます。しかしそれだけでは不十分で、自身が問題解決能力を持っている事を示すアピールも重要となります。
例えば「保育士としての業務においては、子どもたちの成長や保護者の期待に応える為、日々努力していました。しかし職場の人間関係や過大な業務量、保護者とのコミュニケーションの課題など、一人の保育士としては解決しきれない問題も存在しました。それらが積み重なり、適応障害に陥ってしまったのです。」というように説明すると良いでしょう。
このような説明では、自身が保育士としての責任感を持って業務に取り組んでいた事、問題解決に向けた努力をしていた事が伝わります。しかしそれでも解決出来ない問題が存在したという状況説明により、適応障害が自己の問題ではないという説明に説得力が増します。
またその経験から何を学び、これからどのように職場で活動していくのかを具体的に述べる事で、自身の成長や問題解決能力を更にアピール出来ます。
適応障害で退職した経験を持つ保育士が面接で成功する為には、自己の問題ではない事を説明するだけでなく、問題解決能力や自身の成長をアピールする事が重要となります。
保育士として適応障害により退職せざるを得なかった理由と、再就職のポイント
適応障害により保育士を退職せざるを得なかった方々の中には「保育園や園長の問題が原因で退職せざるを得なかった」と職場復帰の際の面接で述べる方がいらっしゃいます。しかしそのような訴えだけでは、同情を得るだけで再就職につながるわけではありません。私自身も最初はそうでした。
特に難しいのは、確かに保育現場に問題があったとしても、それだけでは自身に問題がないとは言えない事です。ここで改善策を提案する事をお勧めします。
それは自身の問題解決能力に問題がなく、更に現場の問題が解決されなかった事実を示す事で「現場を改善するより環境を変えた方が良い」と転職が適応障害を解決する一つの手段として受け入れられやすくなるからです。
私の場合、保育園の人材管理の問題を訴えましたが、他にも以下のような原因がありました。
- 保育士が急に退職し、引継ぎ無しで人員が不足し、その結果適応障害になりました。
- 保育方針が園長と保護者の間で認識がズレ、急な方針変更が頻繁に起こり、適応障害になりました。
- 園長が新たなプログラムを導入して、余計な業務を増やした上、やれば出来ると聞かず、結果、適応障害になりました。
など、同僚、保護者、園長などが原因で改善の見込みがなく、適応障害が悪化して退職せざるを得なかった経緯を説明出来れば、再就職の面接も通りやすくなるでしょう。
適応障害で退職した保育士がすべき「障害の再発防止」
保育士の職場においても、適応障害により退職するケースが見受けられます。繁忙期のストレスや人間関係など、適応障害の原因は多岐にわたります。そうした背景から、適応障害による悪影響を抑え、保育士としての業務継続を可能にする方法を探求する事が求められます。
適応障害が原因で退職を選択した保育士が再就職する際、面接では「当園で配慮してほしい事は何ですか?」と問われる事が多いです。その際には、適応障害がありながらも業務を遂行出来るアピールと、具体的な配慮要望を伝える必要があります。
例えば適応障害の発症原因が業務量であれば、保育士の場合、保育支援システムの導入を提案する事が出来ます。これにより、日々の保育記録作成や連絡帳の記入といった細々とした業務負担を軽減し、適応障害のリスクを低減する事が可能です。
また人間関係が問題であれば、コミュニケーションツールを活用する事を提案出来ます。例えばスラックなどを使用して、業務上のコミュニケーションを円滑に進め、心理的なストレスを軽減する方法があります。
適応障害の原因を極力減らす事で、保育士としての業務継続が可能となります。その為、適応障害が原因で退職を経験した保育士が再就職する際には、自身の適応障害に対する理解と、それを抑える具体的な方策を明確に伝える事が大切です。
「なぜ私たちの保育園が適応障害予防に配慮していると思ったのか?」と問われた際の対策
あなたが保育士として業務を遂行する為には、適応障害が発生しない職場環境が必要です。しかしそれが実現出来ず退職を選択しなければならない場合もあります。
その場合、面接では志望動機を述べる際に「なぜ私たちの保育園が適応障害予防に配慮していると思ったのか?」と問われた場合、どのように対応すればよいか迷う事もあるでしょう。
適応障害が発生しない環境で働きたいという希望を持つあなたは、志望する保育園の環境が他と異なる事を確信出来るようにしなければなりません。しかしその保育園で働いた経験がない為、どのように答えればよいか戸惑う事もあるでしょう。私の経験から言うと「口コミサイトを参考にし、あなた方の保育園が最適だと考えた為、志望しました」と述べる事で、この問いに対応する事が出来ます。
転職支援サービスの中には、実際にその保育園で働いた人々の口コミが掲載されているものがあります。私自身もこれらのサービスを利用し、求人広告では休みが多いと記載されていたにもかかわらず「業務時間が短縮された結果、仕事に追われ、ストレスが増大しました」というコメントを見つける事がありました。これにより、適応障害を抱えて転職するべきでない保育園である事を認識する事が出来ました。
このような実情に関するコメントは、転職先が不適切な職場環境であるかどうかを判断する際に非常に有用です。また「口コミサイトの評価が良かったから」という理由を志望動機として述べる事で、適応障害のある自分に適している保育園であると同時に、評価が高いという事実が志望動機として相応しい事を示す事が出来ます。したがって、口コミサイトを活用して志望先を選定し、志望動機を練る事をお勧めします。
適応障害を防ぐ為の保育士の職場環境改善法
適応障害は仕事環境のストレスが原因で起こる事が多いとされています。保育士の職場は特に人間関係や仕事量、保護者とのコミュニケーションなど、様々なストレスを抱える事が多い為、適応障害を発症しやすい環境と言えます。
しかし適応障害を防ぐ為には、職場環境の改善が不可欠です。適応障害を抱える保育士が退職に至らないよう、以下のようなアプローチが有効とされています。
一つ目は、コミュニケーションの確保です。保育士の仕事はチームワークが必要不可欠な職業であり、複雑な人間関係やコミュニケーション不足がストレスを生み出す原因となります。定期的なチームミーティングの実施や、個々の意見や悩みを共有出来る場の提供など、コミュニケーションを確保する事が大切です。
二つ目は、仕事の負担軽減です。保育士の仕事は体力的・精神的にも負担が大きく、適応障害の発症を引き起こす要因となります。仕事のローテーションや、資格を持ったパートタイムスタッフの活用などにより、仕事の負担を軽減する事が求められます。
三つ目は、保護者との適切な関係作りです。保育士と保護者との間には、子どもの成長や育児に関する情報共有が必要ですが、過度な要望や批判などによるストレスが適応障害の原因となる事もあります。保護者との適切なコミュニケーションを図る為には、保護者向けの説明会の開催や、個別の面談の実施などが有効です。
保育士が適応障害で退職しない為には、職場全体での意識改革と具体的な対策が求められます。上記のような取り組みを通じて、保育士自身が心身ともに健康で仕事を続けられる環境を作り出す事が大切です。
保育士が適応障害で退職した場合の再就職成功への道
保育士が適応障害を理由に退職した場合でも、再就職に成功する為の有益な手段が存在します。以下にそのポイントを詳述します。
- 適応障害が原因で退職した事実を隠さず、その経験を改善に繋げたとアピールする事が重要です。
- 再就職先として、保育施設の口コミサイトで評価が高いところを選ぶ事が推奨されます。
- 適応障害の経験を逆に自己理解を深めたという長所に変え、それをアピールする事で、雇用者に対して自身の成長を伝える事が出来ます。
適応障害で退職した場合、失業保険期間は長いほど良いと一般的に考えられます。専門家からの提案により退職した場合、深刻な適応障害については障がい者手帳の申請が可能で、これにより失業保険の期間を通常の3カ月から最大10カ月まで延ばす事が出来ます。
障がい者枠での再就職活動においては、障がい者向け転職サイトでは契約社員の求人が多く、正社員の求人が少ないという点に注意が必要です。大手保育施設の正社員として再就職したい場合、直接企業のホームページから応募する事をお勧めします。
面接では、自身がどのように成果を上げる事が出来るか、また適応障害の経験がどのように仕事に生かせるかを示す事が大切です。これらをうまく伝える事で、適応障害を理由に退職した保育士でも再就職の成功確率が高まります。適応障害を抱えながらも、再就職に成功する為の秘訣をここに紹介しました。私は皆様の再就職成功を心より願っております。