適応障害で退職した後、直ぐ再就職に成功したITエンジニアの例

適応障害で退職した後、直ぐ再就職に成功したITエンジニアの例

2024年3月13日

適応障害で退職した後、ITエンジニアとして再就職を目指す場合、どのように立ち回れば良いのか分からないと思われます。

私自身、適応障害を理由に会社を退職し、その後、転職活動に励んだものの、失業保険などの手続き、治療、ならびに退職した事へのショックなど、思うような結果には至らず、適応障害が悪化しました。

しかし最終的には再就職する事が出来、おかげさまで適応障害も緩和されました。このように適応障害を抱えた人の再就職は大変つらい部分もあり、退職後の立ち回り方を間違えると取り返しのつかない事が起こります。

その為、私が今まで経験してきた事はこれから転職活動に臨む方の為になると思い、本記事にて私の体験談、ならびにどのようにITエンジニアとして再就職を成功させれば良いのか?共有しようと思います。

適応障害が原因で退職したITエンジニアがすべきアピールとは?

適応障害で退職したITエンジニアが再就職で成功するコツは色々とあると思いますが、個人的に意識すべきと思える部分は以下の3つです。

  1. 適応障害で退職してしまった経緯をどのように面接官に伝えるか?
  2. 就職後、どのように適応障害の発症リスクを減らすか?
  3. 適応障害をマイナスに感じさせない言い方

私は様々な企業に応募している中で、面接では退職の原因や適応障害を抱えている事をどう説明し、どのように仕事が出来る人間だとアピールすれば良いのか?良い答えが咄嗟に思い浮かばず困る場面がありました。

適応障害を持ちながら成功する為には「退職の言い訳」「障害の再発防止」そして「適応障害なのにIT業界で活躍出来る理由」を用意する事が大切です。

適応障害で退職してるのにマイナスにならないITエンジニアの退職理由

面接では適応障害で退職した理由を説明する場合、当然印象が悪くなる質問である為、出来る限り悪い印象を感じさせない言い訳を用意しないといけません。

その場合、私の場合ですが、適応障害になってしまう程の劣悪な職場環境で働いていたのが原因だと、私自身にではなく、職場の方に原因がある言い方をしました。

例えばIT業界では炎上案件のような厳しい現場に関わらないといけない事があると思います。私の会社の場合、営業に営業力が無いせいか案件を取る為に費用を安く、かつ短期間で引き受けるなど、安請け合いのツケを現場に押し付ける傾向がありました。

その結果、短い時間で膨大なコードを書かないといけない為、1つの出戻りが命取りになってしまう問題がありました。

私の場合、長年仕様されてきたWebブラウザのInternet Explorerのサポートが終了に伴い、IEではなく、Microsoft Edgeに移行する案件を担当する事になりました。

分かる方もいると思いますが、ブラウザの変更に伴い、基本動作だけでなく、大規模なシステムの再構築やアプリケーションの更新作業が必要です。

しかし営業はそれを心得ていなくて移行作業のみと考えており、新しいブラウザの特性やセキュリティ対策など全て私が調べ上げ、既存システムに正常動作させる突貫工事を行いました。

無論、スムーズにいく事は稀であり、不具合が起こった場合の原因究明やクライアントへの説明、ならびに解決策を見出すなど終わるか分からない不安やプレッシャーなどがストレスとなり、最終的に適応障害を引き起こしてしまいました。

この手の話を説明すると「ですので新しい職場では営業のみで判断せず、エンジニアの方も同伴した上で案件を取ってくるなど営業力の高い企業に就職したいと考えております」と言えれば、退職理由や志望動機を言う上で問題はありません。

適応障害になったのは会社ではなくあなた自身に問題があったのでは?と疑われた場合

ただ面接官の中には「では営業に頼んで期限を延長してもらうなど出来なかったの?」と職場環境の改善を試みようと思わなかったのか?と聞かれる事があります。

要は営業に原因があると言っているが、実際は私自身の実力不足が原因で劣悪な環境になってしまい、適応障害になってしまったのでは?と面接官から疑われたのでは?と思っています。

確かに世の中には適応障害である為、嘘をついて自分ではなく他の所に原因がある、みたいな言い方をする人がいます。

その為、面接官の中には本当に職場環境に問題があるのかを確かめる為、改善の余地が無かったのか?を探ってくる為、会社のせいにする為にもちゃんと改善の見込みがなかったと思わせるアピールを用意した方が良いでしょう。

その点に関し、私は

「炎上案件になってしまう原因ですが、プロジェクト途中で営業がクライアントの追加案件を無償で引き受けてしまう点があったのでやめてほしいと頼んだのですが、それだと契約が切られると言って、聞いてくれませんでした」

と、営業が勝手に追加案件を引き受けてしまい、初期段階でも厳しいスケジュールなのに更に厳しくしてしまう事がこの現場ではあったと説明しました。

要は他の人との連携が上手くいかず、しわ寄せがこちらに来てしまったと言っていました。この手の問題はIT業界ではよくあり、要件定義通りに行かない問題に対し、どのように出戻りが起きないようにするかが現場では問われます。

だから出戻りの原因である追加案件は極力引き受けないようにするのがセオリーなのですが、営業の中には交渉力が未熟の人もおり、クライアントの言いなりになって全ての依頼を引き受けてしまう人がいます。その為、私自身、交渉の場にいなかった、参加出来なかった為、厳しいスケジュールを改善する事が出来ず、適応障害になってしまいました。と言って面接官に納得してもらいました。

その為、自分の実力不足を疑われた場合、プロジェクトを改善する方法、ならびにそれが出来なかった原因を考えて面接に臨んだ方が良いでしょう。

退職理由は同情を誘う形ではなく、改善出来なかった事実で勝負する

適応障害が原因で退職した人の中には「会社や上司が原因で退職する事になった」と面接で訴える人がいます。しかしそうした訴えだけでは同情されるだけで採用にはつながりません。私自身も最初はそうでした。

障がい者採用で難しいのは、確かに現場に問題があっても、それはあなた自身に問題がないという話にならない事です。私がここで改善策をアピールする事を提案するのは、あなた自身の問題解決能力に問題がなく、更に現場が原因で改善されなかった事実を述べれば「現場を改善するより環境を変えた方が良い」と転職が適応障害を解決する1つの手段として見られやすくなります。

私の場合、会社の営業力の無さをアピールしましたが、他にも以下のような原因があります。

  • メンバーが急遽プロジェクトから抜ける事があり、引継ぎが無しでかつ人員増加が無かった為、適応障害になりました。
  • 仕様内容がクライアント同士の意見のすれ違いで、スケジュールが遅れたり、急な仕様変更が頻繁に起こり、適応障害になりました。
  • 上司が新規提案をしてきて、余計な業務を増やした上、やれば出来ると聞かず、結果、適応障害になりました。

などメンバー、クライアント、上司などが原因で改善の見込みがなく、適応障害が悪化して結果的に退職する事になった経緯を説明出来れば面接が通りやすくなるでしょう。

適応障害のデメリットがあっても悪く感じさせないITエンジニアの言い方

続いて適応障害を理由に退職した場合、面接では「では弊社で配慮してほしい事なんでしょうか?」と適応障害による悪影響を抑える方法について教えてほしいと頼まれます。

面接では適応障害が原因で仕事が出来ないのでは?と疑われてしまう所があり、その為、適応障害があっても仕事が出来ると感じさせるアピールと面接で用意する必要があります。

その為、適応障害が発症してしまう原因が業務量であれば、ITエンジニアの場合、他にもSeleniumやUipathなど自動化システムを使って業務負担を減らす方法があります。

または管理業務がうまく出来てない点であれば、スクラム開発の場合、Jiraなどのツールを使って全体の進捗状況を共有するなど工夫する方法もあります。

その為、適応障害になってしまう原因を極力減らす為、その原因を極力取り除くアピールを面接で言えれば良いでしょう。

「ではなぜ弊社では適応障害が発症しない会社だと思ったの?」と質問された場合の対処法

ただ上記のように職場環境を改善する事が出来れば良いですが、会社によってはそれが実現出来ずに終わる会社があります。その為、面接で志望動機を言う際「ではなぜ弊社ではその適応障害が起きない会社だと思ったの?」と聞かれて、困ってしまう事があると思います。

適応障害が発症しない現場で働かないといけない以上、志望先の職場環境は違う、と言えるようにしておく必要があります。しかし一度もその会社で働いた為、どのように答えれば分からないと思いますが、私の場合、「口コミサイトを見て、御社が一番だと思い、志望しました」と言って乗り切っていました。

転職活動を応援するサービスの中には実際にその会社で働いた事のある人達の口コミが書かれたサービスがあります。

私自身、そのサービスを利用してみたのですが、求人票には休みが多いと書いておきながら、実際に口コミを見てみると「残業禁止で労働時間を減らされた結果、ジタハラが増えた」と期間内に終わらせる事が出来ない案件をたくさん抱えている上、上司からのハラスメントが強いと感じるコメントが多くあり、適応障害の人が転職してはいけない会社だと分かりました。

このように内部事情について書かれたコメントはいざ転職した際、ブラックなど劣悪な環境かどうかを判別するのにとても役立ちます。

そして志望動機においても口コミサイトの評判がよかったから、と言えば適応障害の自分に向いている会社、ならびに評判が良い、と書かれていれば志望動機として適切になりますので、口コミサイトを使って志望先の選定や志望動機の作成するのも良いでしょう。

適応障害をプラスに感じさせる言い方の例

また適応障害をただのデメリットではなく、仕事で役立つような言い方が出来れば一番良いと思われます。

そんな適応障害を仕事に役立つような言い方など出来るわけない!と思う人もいるかもしれませんが、私の場合、適応障害を理由に「すいません、記録を取らせてください」といつも口頭でやり取りする会議の記録係を務める事で認識の違いを防ぐ事をしていました、とアピールしていました。

システム開発をしていると現場によっては「言った、言わなかった」など言質を取っていないせいでだれの責任か明確に出来ず、また仕様が曖昧のまま開発作業に突入する事になりかねません。

その為、要件などを議事録に残すなど記録に残したいのですが、クライアントによっては「なんで?口頭だけでいいじゃん」と言って許可を出さない人がいます。

その為、適応障害である事を逆手に取り、記録を取らせてほしいという配慮で出戻りを防ぐ、そしてクライアントから記録を取る許可を貰うなどの適応障害のメリットを提示します。

これにより今まで曖昧だったクライアントの要望が明確になり、仮に会議後に新しい注文が来ても「申し訳ございません。前回の会議で”この内容で開発を進めてよろしいでしょうか?”と確認して承諾を頂きましたので、もし今の内容を実装したいのであれば、追加費用といただく事になりますがよろしいでしょうか?」と言って、追加依頼を避け、業務量が増えるのを阻止しました。なんて言えれば良いでしょう。

このように適応障害をデメリットとして感じている面接官と遭遇した場合、適応障害のメリットを提示して、仕事が出来る適応障害者と感じさせるように頑張りましょう。

適応障害で退職したITエンジニアの再就職成功への道

適応障害を理由に退職したITエンジニアが、再就職に成功する為には、以下の点に注意して進める事が有益です。

  • 適応障害が原因で退職した事実があっても、改善の余地があったとアピールする
  • 志望動機として、口コミサイトで評価が高い企業を選ぶ
  • 適応障害を逆に長所だと感じさせるアピールを用意する

また適応障害で退職した以上、失業保険期間は長いほど良いと思います。

精神科医からの提案で退職するほど適応障害が深刻であれば障がい者手帳を申請し、失業保険の期間を一般の3カ月から10カ月に延ばすと良いと言われました。私自身、長期間精神科医に通院していた場合、障害年金も受給出来る可能性がある事も後に知りました。

適応障害が原因で退職した場合も、日本には障がい者に対するさまざまなサポートがある為、退職後の期間を活用して手続きをしてみる事が有益です。

ただし障がい者枠で転職活動を行う場合、私が確認した所、障がい者専用の転職サイトの場合、契約社員の求人が多く、正社員の求人が少ない事を知りました。ですので仮に大手の正社員を障がい者枠で目指したいのであれば、直接企業ホームページから応募した方が良いでしょう。

正社員採用は狭き門である為、面接では自分がどのように成果を上げる事が出来るか示す事が大切です。適応障害を逆手にとって仕事を有利に進める事が出来る話をするなど、障がい者ならでの立ち回りが必要です。

以上が私自身、体験した適応障害で退職しても直ぐ再就職する事が出来るITエンジニアのノウハウです。このような工夫を行う事で適応障害を理由に退職したITエンジニアでも再就職の成功確率が上がるので、皆様の再就職の成功を心より願っております。

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Yuzu

心理学の勉強中です。メリットは多数ありますが自分を客観的に分析し知る事ができ、ストレスや不安などの問題を解決する手助けとなり、心理的な健康を促進します。 気が付けば、人生の折り返しの年齢に突入しました。ブログ / SNS / AI / ガジェット / 柚子の香り/ PS5 / 漫画 /ライフスタイルに関する情報/コーヒー/ 好き。PC歴は20年のフリーブロガー、四国出身、 Twitter(X)フォロワー 4.500人 流行モノ/ 雑学 / 社交性 /自信あり ブログ世界の冒険を模索、深堀りしながら充実した、everyday life.

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